※これは2016年11月初めの話です。
前回の【治験】JAXAの閉鎖環境実験応募に1次通過した話の続きです。
ノリでJAXAの「宇宙を模擬した閉鎖環境下でココロの動きを探る」という怪しげな治験に応募したところ、まさかの合格をもらったので2次試験(適性検査)を受けに茨城県はつくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)まで行ってきましたのでその時のお話。
大学野球時代、同じリーグに筑波大学が所属していたため何度かつくば市には行ったことがありますが、卒業以来は一度も足を運んでいません。
とりあえず神奈川からは遠いんですよ。
大学の時は電車でつくばまで行っていましたが、小田急線の某駅から乗って代々木上原で千代田線に乗り換えて北千住まで行ってそこからつくばエクスプレス(通称TX)で終点のつくば駅まで行っていたんですが、2時間くらいかかってましたからね!
もしくは新宿から秋葉原まで行って、そこからつくばエクスプレス乗り換えというパターンもありましたが・・・
しかし筑波大の人達によれば、これでもつくばエクスプレスが出来たことによってだいぶ交通の便は良くなった方らしいです!つくばエクスプレスが出来る前は常磐線しかなく、鈍行なので果てしなく時間がかかっていたとか・・・。
っていうか常磐線ってなんだよどっから乗るんだよと思って調べてみたら、上野から仙台の方まで行けるかなり長い路線のようですね、知らなかったぜ。
とりあえずJAXA治験の2次試験に向かうことに
ということで軽く小旅行なので、せっかくだから奥さんを連れて車で一緒に行くことにしました。
適性検査の当日が8:30に現地(JAXA)集合とかなり早い集合時間だったので、前日の夜に出てつくば市内のネットカフェに泊まり、翌日そこから向かうという作戦にしました。
車で家を出てすぐセブンイレブンに寄り、お菓子を大量に仕込んでから出発しました。笑
「お菓子を買い込んで夜中に車で出掛けるなんて楽しいね!」と、無職で治験を受けに行こうとしてる夫がいるとは思えないセリフを言ってくれる奥さんには感謝しかありません。笑
こんなふざけた旦那ですまんのぅ・・・。
蒲焼さん太郎と焼肉さん太郎を大量に食べながら東名~首都高を抜け、スーパー何にもなくて真っ暗な魔の常磐自動車道を走り続けること2時間、ようやくつくば市まで辿り着きました。
ナビで設定してあった自遊空間(ネカフェ)つくば南大通り店に到着して、会員じゃないので言われるがままスマホにアプリをインストールして会員登録を終えて、明日にそなえフラットシート(ペア)で雑魚寝をするのでした・・・。
JAXA治験の2次試験(適性検査)って何やるの?
翌日、奥さんを早朝のつくば駅周辺にリリースし、JAXAへ向かいました。
JAXAに着いて受付を済ませて入場許可証のようなものを胸につけると、係の人が会場まで連れて行ってくれました。
会場まで歩きながら「そういえば適性検査って何やるんだろ?」とふと疑問に思いました。
事前に電話で連絡をもらった際には、「適性検査をやります」としか聞いていなくて、具体的にどういった検査をするのか聞いていなかったんです。
僕はなめくさっていたので、身長と体重とか測るくらいだろ、たぶん。と思っていました。
会場は大学の講義棟って感じのちょっと年季の入った建物で、中に入って2階に上がり、まさに教室って感じの部屋に通されると他の参加者も座っていました。
ちゃんと数えていないので正確な人数はわかりませんでしたが、たぶん20人弱くらい。
この治験について何も知らなかった僕は「ふ~ん、朝イチの参加者はこれくらいか。2時間区切りくらいで検査をやると考えたら、あと80人くらい来るのかな?」とかのんきなことを考えていました、この時は。
JAXA治験の検査スケジュールが発表される
集合時間になり、JAXAの担当者の方が数人出てきて、今回の治験の説明をしてくれました。
この治験は何とか(すみませんお名前を失念しました)さんという宇宙飛行士の方がリーダーとなって行っているプロジェクトらしく、今回で3回目、そして今後も継続して行っていく予定だそうです。
そして当日の適性検査スケジュールが発表されました。こんな感じ。
9:00~10:00 施設見学
10:00~11:00 マークテスト
11:00~ 身体測定/血液採取&昼食&面接
⇒面接が終わり次第解散
検査の目的は「ストレス耐性」をみることだと言っていました。
施設見学
会場の建物自体に実際の治験を行う設備もあるらしく、見学させてもらいました。
実際に試験を行う施設の外観はこんな感じ。
撮影禁止と言われたので写真は撮っていませんが、ネットで検索したら画像が出てきたので貼ります。笑
外観だけなら大丈夫だよね。JAXAがネットに公開してるんだからここまでは大丈夫大丈夫。笑
どうですか?こんな円筒形の構造物に入って2週間過ごすんですって!
内部がどうなっているかは画像がないので(あっても教えちゃダメなので)文章のみでお伝えしたいと思います。
一言で言うと『宇宙兄弟』の宇宙飛行士選考試験の最終試験みたいな感じです!
宇宙兄弟を見たことある人は分かると思いますが、最終試験では2グループに分かれて集団行動するじゃないですか?
あの試験の時に過ごしていたような環境がこの建物の内部です。
僕たちが見学したときには、机の上に真っ白なパズルが置いてあって、あとはカプセルホテルみたいな寝床が8つ、あとはトイレと通信室?(JAXAの人と定期的に連絡を取るための部屋)があるくらいでした。
あとその時は置いてなかったですが、運動不足解消のために治験時にはエアロバイクを置くと言っていました。
内部は狭いというほどではないですが、ルパンとかに出てくるような銀行の金庫のドアみたいな重厚な扉(変なハンドルがついてるヤツ)で完全に建物内に閉じ込められるので、閉所恐怖症の人には恐ろしい環境でしょうね。
どうしても内部の様子が気になる人は画像検索するとCGっぽい俯瞰図が出てきます。
検索キーワードは頑張っていろいろ入力してみてください。笑
宇宙服が展示してあったので記念にパシャリ
(ここは撮影OKでした)
マークテスト
昨日の晩飯すら思い出せるかあやしい記憶力なのでもはや内容はうろ覚えですが、これは確か「こういったケースに遭遇したらあなたはどう思いますか」的な質問に答えてくやつだった気がします。
50~60問の質問に、「とてもそう思う」「そう思う」「まったくそう思わない」「あまりそうは思わない」「わからない」みたいな選択肢から選んでマークしていくテストだったはずです。
身体測定/血液採取&昼食&面接
施設見学とマークテストまではみんな一緒でしたが、そこから先の検査は同時進行で進んでいきました。
身体測定/血液採取から始まる人もいれば面接を先にやる人もいる。とりあえず待機の人は昼飯を食べる。みたいな感じでした。
というか身体測定と血液検査はいいとして、面接!?
就活でもない治験なんかで面接なんかやるのか!と少し動揺しました。
どんなことを聞かれたのかは機密保持の観点から具体的には言えませんが、やはり「ストレスを感じたらあなたならどうしますか?」というような質問が多かったです。
しかしビビったのは別室の面接会場に入ったら試験官が6人くらいいたこと!
6対1で順番に質問してくるんですよ!マジで就活の役員面接かと思いましたよ!
椅子のネジを回し続けて「ネジのゆるみが気になる」って言ってやろうかと思いましたよ!
ちょっと治験をなめてました・・・。
JAXA治験の前回倍率は500倍以上!?意外に僕は選ばれし人間だったらしい
面接は朝集合した部屋とは別室で行われたのですが、面接で呼ばれて部屋を出ると、さらに「面接で呼ばれた人が待機する部屋」に連れていかれました。
そこで一緒になったおじさんと話していて教えてもらったのですが、この治験は募集人数がハンパじゃないらしいですね!
前回は500倍以上だったとかいう話をおじさんから聞いて、いかに自分がなめていたか、またいかに自分がラッキーボーイだったかを知りました。
朝来た時には、今いる20人くらいは第一陣で、そのあと続々と人がやってくるのかと思っていましたが、そうではなくその20人から8人の被験者を選考するという話だったのです!
けっこうすげーじゃん!おれ!笑
ちなみにそのおじさんは前回も応募していて、今回ようやくJAXAまで来れたと言っていました。
そういえばその時来ていた20人の内訳ですが、けっこう色んなところから色んな人が来ていました。
女性はいませんでしたが、50代くらいのおじさんから大学生まで、20~50代くらいの成人男性が来ていました。
(大学生は会話して大学生と言っていたので確かな情報です。おじさんはわかりませんが。笑)
待機時間にみなさん打ち解けたのか雑談を始めたので耳を澄まして聞いていたら、北海道から来ている人や富山、大阪などの遠方から来ていると言っている人がいてビビりました。
しかもけっこうなおじさん。どういうこと!?自分が言えた義理じゃないけどどういうライフスタイル!?笑
とにかくわかったのはみんな宇宙に対するガチ中のガチ勢だということです。
質疑応答で「アメリカがトランプ政権になった場合、宇宙研究予算が削減される可能性があるか?またその影響がNASAを通じてJAXAにも及び得るか」みたいな質問をしているおじさんがいて、そんなこと気になるか、スゲーなと思いました。
そしてJAXA治験の検査結果は・・・落ちました。笑
そんなこんなで検査を受けて10日後くらいに、無事落選のお電話がかかってきました。
きっとストレス耐性なしと判断されたのでしょう。
面接でワーホリに行くって話をしちゃったから、頭がおかしいと思われたのか、カナダに情報漏洩されたらかなわんと思われたのかはわかりませんが、とにかくダメでした。
これで通っていたら選ばれし8人として2週間閉鎖空間にカンヅメになって報酬を手にしていましたが、残念でした。
でもJAXAに入るなんて普通に生きてきたらなかなか出来ない体験だったので、良い経験をさせてもらいました!
まあJAXAに入ること自体は一般の人でも出来るんだけど。笑
関係者しか入れないところに入ることができたのは良い経験になりましたまる。
あ、そうそう大事なことを書き忘れましたが、僕は2次の適性検査で落ちてしまったので、実際にあの施設でどんな試験を行ったのかは知りません。
もし受かって治験に参加していたとしても、口外しちゃダメって事前に言われてたけどね。
さてさて、上でも書きましたが今後もこの治験は継続していくらしいので、興味のある人は応募してみてはいかが!?
スッゲー倍率高いけどね!!笑
【JAXAの治験を受けてみたい人へ】応募方法を説明します
※2018/1/29追記
意外とこの記事が読まれているようなので、JAXAの治験に行ってみたい!興味がある!という人向けに治験の登録方法を書いておきます。ご参考にどうぞ。
登録方法が少し分かりづらいんですが、この治験は「JCVN」という治験ボランティア会を通じて募集が行われているので、一旦JCVNのサイトに登録する必要があります。
登録はこちらからどうぞ↓
●治験最新情報サイト「JCVN」
(ページ中段または最下部に会員登録のボタンがあります)
JCVNへの会員登録が完了したものとして、その後の説明をしていきます。
1.「ログイン」をクリックして、さっき登録したIDとパスワードを入力しログインする
2.ログイン後、マイページ真ん中にある「募集中の治験の一覧はこちら」というボタンをクリックする
3.募集治験名がリンクになっているので、JAXAの治験名をクリックする。
4.リンク先に治験概要が記載されています。備考欄に申し込みURL(もちろん◆は除くこと)があるのでコレをコピーしてブラウザに貼り付けてEnterを押してください。
※なぜかこのURLがリンクになっておらず、ここを直接クリックしても別のページへ行かないので注意
5.上でコピーしたURLにアクセスすると上記ページにアクセスできます。ここがJAXA治験の申し込みページです。
JAXAの治験申し込みは志望動機がカギだと思っている
さて、上で申し込み方法を説明しましたが、申し込みをする際の僕からのアドバイスです。
JAXAの治験の申し込み時には、300程度(最大350文字)の志望動機を記入する欄があります。
タイトルにもある通り倍率500以上なので、当選するかどうかはこの志望動機にあるなと今では感じます。
こんなマニアックな治験に応募したいなんてかなりの宇宙好きには違いないですが、宇宙が好きだけではまだ弱い。
こんなポイントを踏まえつつ志望動機を書くと良い感じかもしれません。
・この治験になぜ応募しようとしたのか(お金以外!)
当たり前ですが「お金がいっぱいもらえるから」と書いても通らないと思いますよ。笑
宇宙開発に興味があるとか宇宙飛行士になりたかったとかそういうことです。
・なぜ興味を持っているのか
興味を抱いたきっかけ(根拠)を書くと説得力が高まります。
小さい頃はよく宇宙や星の本を読んでいたとか、宇宙兄弟を読んで宇宙飛行士に関心が高まったとか。
・この治験を通して自分はどうしたいのか
JAXAの宇宙開発に貢献したい!とか擬似的な宇宙船の空間を体験してみたい!とかJAXAってすごい研究してるんだってことをいろんな人に伝えたいとかそういうことです。
2次試験まで行ってみて感じましたが、はっきり言ってお金目的の人ではたどり着けないと思います。
お金が根底にあったとしても、やっぱり「宇宙が好き」という気持ちがないと志望動機や面接で弾かれてしまうんじゃないかなー。(申し込みが通ってもその後面接があります)
まあでも申し込んだだけでも話のネタになるし、僕みたいに2次試験でJAXAにお呼ばれしただけでも万々歳、万が一最終選考まで残ったらあなたヒーローですよ。
「俺、少年野球時代に今プロ野球でやってる〇〇からヒット打ったんだぜ」っていうノリで一生自慢できますよ。笑
ということで応募方法は書いたので、受かるかどうかはともかく興味のある人は応募してみてはいかがでしょうか?
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